第4話「常夜灯」
はじめに
常夜灯、耳慣れない言葉です。これは、夜道の安全のため、街道沿いに設置されているものが多く、現在で言う‘街灯’の役目を果たしています。意外と気付かない鹿児島にある常夜灯を探してみます。
いづろ通り
これは、誰でもご存じのいづろ通りの常夜灯です。通り名の由来になった石灯籠で、南林寺の参道に並んでいたもののひとつであるという説と波止場近くにある灯台の役目をした大型の常夜灯ではないかという説があるようです。
南州神社
この常夜灯は、日本でも大きいものではないだろうかと思われる、南州神社に建つものです。
説明文には、‘この常夜灯は、西郷隆盛と勝海舟との会談により、江戸城が無血開城され、江戸100万市民が兵火を免れたことへの感謝のため、昭和14年5月当時の東京市によって寄贈建立されたもので、花棚石でできています。 江戸城の無血開城には、薩摩藩から第13代将軍徳川家定の御台所となった天璋院(篤姫)も西郷隆盛に徳川家存続の嘆願書を送るなど、大きな役割を果たしたとされています。’とあります。
しかし、明治維新から70年余りたった、昭和14年になぜ?の疑問はのこりますが、また、南州神社の周囲には、ミニチュア版でしょうか、今現在通りを照らしている常夜灯があります。
永代常夜灯
常夜灯の中に、しばしば‘永代常夜灯’と刻まれているのを目にします。これは常に心の不浄を焼き払い家内安全を祈るもので、神仏に帰依するために、心の汚れを焼き清める役割をもつ「火」を灯すことを意味するそうです。
現在で言う‘街灯’の役目を果たしていた常夜灯は、神社やお寺を探せば、いろいろなタイプのものが見受けられます。散歩や旅行の合間に見つけて、石文化に親しんではいかがでしょうか。